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共有価値の創造 CSV経営 社会・環境報告書 PDF目次 | CSR報告書(Sbook) | CSR(社会・環境) | 伊藤園 report p16 23 2014

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全文

(1)

共有価値の創造

経営

CSV

伊藤園のCSVの考え方と

3つのアプローチ

「共有価値の創造」のこと。 Creating Shared Valueの略。 企業が事業活動を通じて社会的課 題と経済的課題の同時解決を目指 す考え方。ハーバード大学ビジネスス クール教授のマイケル・E・ポーター氏 が中心となり提唱している概念。

伊藤園では、CSVの概念をもとに、次 の3つのアプローチで社会的、経済的 両側面の共有価値の創造に挑戦。競 争戦略としてCSVを活用している。

バリューチェーン

製品・サービス

の提供による 社会課題への取り組み

の「競争力強化」と 「社会への貢献」の両立

産業集積

における「競争力の強化」と

「地域への貢献」の両立

(2)

今、日本の地 域 農 業では、過 疎 化、 高齢化、耕作放棄地の増加といった 課題が深刻な局面を迎えている。一 方、地方には都会にはない素晴しい資 源がたくさんある。これらは充分に活用 されているのだろうか。伊藤園は耕作 放棄地なども活用する茶産地育成事

業※を宮崎・大分・鹿児島・長崎の九州

4県6地区で展開している。

大分県知事広瀬勝貞氏はこう語る。 「2006年から伊藤園さんと始めたこ

の取り組みは、生産者にとっては安定 した価格で全量を買い取っていただ けることから、長期的な展望のもと大 規模経営が成り立つようになり、雇用 の創出にもつながっています。また、耕 作放棄地の解消にもつながり、大変助 かっています。今後とも、伊藤園さんと 生産者、行政の連携がいっそう図られ ることを期待しています」。

日本の荒茶生産量の約24%(2013年

地方が置かれた現状

なぜ伊藤園が地方経済活性化?

機械化

IT

食料自給率向上

耕作放棄地減少

農業経営

安定

が挑む

地方経済活性化への道のり

茶産地育成事業   地方経済の活性化

産業集積

4 422,,000000 4 433,,000000 4 444,,000000 4 455,,000000 4 466,,000000 4 477,,000000 4 488,,000000 4 499,,000000 5 500,,000000 5 511,,000000 5 522,,000000

全国国茶茶園園面面積積(hhaa)

58 59 60 61 62 63 64 65 66 67

1998 2003 2008 2013 2000 2005 2010 2013 1995 2000 2005 2010

全国国農農業業者者平平均均年年齢齢((歳歳))

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

全国国耕耕作作放放棄棄地地面面積積 ((万万hhaa))

出典:公益社団法人日本茶業中央会 出典: 出典: 「平成26年版茶関係資料」より伊藤園にて作成。

農林水産省

農業構造動態調査の結果より伊藤園にて作成。

農林水産省

(3)

活動を始めて14年。最近では、茶畑 の周辺に、荒茶加工工場が新設され、 県の茶業研究機関や普及機関との連 携も強化された。また肥料など農業資 材関連企業、大学や農協組織との連 携強化も図られつつあり、茶産地にお いて産業集積(産業クラスター)化が 進む。現在、緑茶の生産地に見られる 産業集積は、まだまだ発展途上。集積 構造の形成とそれにより生まれる相乗 効果を、どう高めるかが勝負どころで ある。

多様な関係者が協働し、技術交流 を行うことで、緑茶の付加価値を高め るとともに、地域のブランド力向上を目 指す。それが、伊藤園の価値でもあり、 地域にとっての価値創出だ。後継者 育成や新規就農者の確保、従事者の 若返りなど好循環も生まれている。地 域にとっては耕作放棄地の解消や雇 用創出によりさらなる地方経済への好 影響が期待される。

度実績)を取り扱っている伊藤園として、 茶葉原料を安定確保するために始め た茶産地育成事業。お茶のおいしさを 生むのは茶葉の品質であるとの考えの もと、社員自らが行う「直接仕入れ」に 加え、茶産地育成事業を立ち上げた。

契約栽培茶園に加え、2001年から耕 作放棄地などを活用する新産地事業に 取り組んだ伊藤園。原料の安定調達に つなげ、栽培技術・ノウハウの提供、収 穫茶葉の全量買い取り契約で農家の 経営の安定化を目指した。一次産業の 振興は地方経済の活性化にもつながる。

形成され始めた産業集積構造

※茶産地育成事業(契約栽培・新産地) 伊藤園は、社員自らが茶産地や茶市場へ 出向き、茶葉の品質を見極めたうえで行う 「直接仕入れ」のほか、茶葉原料の一部 については、茶畑からおいしさを育て上げる 茶産地育成事業(①社員が茶産地の方々 とともに茶葉の品質向上に取り組む契約 栽培茶園、②耕作放棄地などを活用し畑づ くりから茶産地の方々と茶葉を育成する新 産地事業)に取り組んでいます。①と②を合 わせて、茶園の面積は2014年4月現在で

883ヘクタール(ha)まで広がっています。

「お~いお茶」は茶産地 育成事業による専用茶 葉を含む良質な国産茶 葉を100%使用。

◯は生産者/地域の価値、●は伊藤園の価値 茶産地育成事業883ha(契約栽培542ha、新産地341ha)

新産地形成

原料

安定調達

雇用創出

地域活性化

が挑む

(4)

食の安全・安心は、社会からの関心が高い。伊藤園では 原料調達と品質管理への責任を果たすことを最重要課題と して、製品設計、原料、包装材から製造、流通に至るまで、一

貫した原料調達・品質管理体制を確立。原料段階における 各種検査、独自の品質管理基準に基づく工場での製造など、

製品の安全性確保に努めている。「トレーサビリティ※」は関

係者との協力による取り組みとして代表的なものの一つだ。

製 品に印 字されたロット番 号を追 跡すれば製 造 工 場、 製造日時、原材料、農家の栽培状況まで把握できるトレー サビリティシステム。その構築には茶農家や茶問屋、製造 委託先などとの協力が不可欠で困難も多い。幾度となく 話し合いを重ね、製造記録の作成と提出を依頼し、その 結果、2002年、他社に先駆けて緑茶のトレーサビリティシ ステムを確立した。

食品企業の基本的使命

お客様に安全と安心を届ける 

の信念

社会からの食の信頼に応える―

一貫した品質管理体制

なぜ伊藤園は難関に挑むのか

※トレーサビリティとは、食品事故等の問題があった際に、食品の移動ルートを書類等で特定し、遡及・追跡して、原因究明や商品回収等を円滑に行えるようにする仕組みのこと。

トレーサビリティ   食の信頼

バリューチェーン

食品企業の基本的使命

お客様に安全と安心を届ける 

の信念

伊藤園の

トレーサビリティの

取り組み

、保

使

使

、栽

(5)

専用にんじん

「朱衣」(しゅい)

この仕組みに対して、「今後も強化することを期待します」

(公益社団法人NACS消費生活研究所所長 戸部依子

氏)とのご意見や、「仕入先の生産家の方々の意識や行動

も変わってきた」(伊藤園と45年もの付き合いがある茶問屋

株式会社堀口園 堀口常弘氏)との関係者からの評価する 声も聞こえつつある。消費者からの信頼確保はもちろん、取 引先との連携強化など伊藤園のバリューチェーンの強化に 向けたさまざまな共有価値を生みつつある。

食品企業の基本的使命

お客様に安全と安心を届ける 

の信念

バリューチェーンが生み出す

お客様との共有価値

食品トレーサビリティに関する

消費者(国民)の意識

食品トレーサビリティに関する消費者の意識調査では、 8割近くの人がトレーサビリティの重要性を感じていると いう結果が出ている。

出典:農林水産省 平成23年度食品トレーサビリティ導入準備委託事業報告書

重要である

34.9%

どちらかといえば 重要である

45.7%

どちらとも いえない

12.6%

どちらかといえば重要でない

1.7%

重要でない1.1% 分からない

3.9%

野菜飲料原料においても、専用に んじん「朱衣」(しゅい)の使用による付加 価値創出に加え、海外で生産されたものを 含めトレーサビリティを確保している。

食品企業の基本的使命

お客様に安全と安心を届ける 

の信念

(6)

先日、厚生労働省から発表された『平成24年 国民健康・栄 養調査結果の概要』では、40~74歳の男性の約3割、40~74 歳の女性の約2割が肥満者(体格指数BMI値25以上)という 結果が出ている。肥満は、高脂血症・糖尿病・高血圧などの生 活習慣病とも関係性が深いと考えられているため、誰もが気に なるところである。

消費者の健康志向の高まりは、飲料業界にもその影響が押 し寄せている。飲料市場全体にみる健康飲料の販売数量は 増加傾向にあり、各社はこぞって研究開発に凌ぎを削り、次々と 新商品を市場に投入。無糖飲料市場を創造してきた伊藤園も 例外ではない。緑茶飲料の幅広い製品ラインアップに、特定保 健用食品の「2つの働きカテキン緑茶」を投入。加えて「2つの

働きカテキン烏龍茶」「2つの働きカテキンジャスミン茶」をそろえ

“カテキン茶シリーズ”として、お客様の健康ニーズに応える。

伊藤園が掲げる製品開発コンセプトは、「自然」「健康」

「安全」「良いデザイン」「おいしい」の5つ。言い換えればこ

れは、伊藤園がお客様や社会へ提供する価値の宣言でも ある。それを支えるのが、基礎研究に加え、特許・ノウハウに 裏付けされたブレンド技術、製造技術など茶葉・飲料に関す る研究開発部門(静岡県牧之原市)だ。ここでカテキン茶シ リーズも誕生した。

お茶に含まれるカテキンは、ポリフェノールの一種。昔からタン ニンと呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分で、近年その健康性 が着目されている。お茶のプロフェッショナルである伊藤園が、カ

テキンをさらに細かく分類・研究する中でたどり着いたのが、「ガ

レート型カテキン」だ。「ガレート型カテキン」には、脂肪やコレス

テロールの吸収を抑える働きがあり、油摂取の多い現代人の食 生活の改善や、健康が気になる人々の期待に応えるものである。

お茶の

お客様の健康のために

出した「答え」とは

健康を望む声の高まり

カテキンを知り尽くした伊藤園だからこそ

成人男女別、年齢別 BMI25 以上の人の割合

女性

出典:平成 24 年国 民健康・栄養調査 第 2 部身体状況調 査の結果より伊藤園 にて作成。

特定保健用食品   お客様の健康

製品・サービス

0

20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 20~29 歳 30~39 歳40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 5

10 15 20 25 30 35 40

(%) (%)

0 5 10 15 20 25 30 35 40

(7)

カテキン茶シリーズは、茶カテキンが含まれるため、体脂肪が 気になる人にはありがたい製品。そのほかにも、コレステロール の吸収を抑制する茶カテキンの働きにより、血清コレステロー ル、特にLDL(悪玉)コレステロールを低下させる特長もある。 コレステロールが高めの人の食生活の改善にも役立つ。

「“おいしい”だけでは選ばれない時代。社会課題にも通じ

る“健康”といういわば人類永遠のテーマに挑戦し、“おいしく

て健康にも良い”製品を生み出したい」(提坂)。中央研究所

では長年お茶の健康価値を研究してきた。カテキンについて 言えば、その効能は、血中コレステロールの低下、体脂肪低 下作用、がん予防、抗酸化作用、虫歯予防、抗菌作用など多 岐にわたり、これらの効能を活かした製品・サービスを期待す

る人々もいる。今後、伊藤園は製品を通じて、どんな新しい価 値を提供できるだろうか ――。

「和食との親和性も高いお茶の製品開発を通して、これか らもお茶の素晴しさを世界に発信し広げていってほしい」と 日本経済新聞社生活情報部編集委員の岩田三代氏は期

待を寄せる。

お茶の

お客様の健康のために

出した「答え」とは

伊藤園が製品を通じてお客様に提供した新たな価値とは

株式会社伊藤園 執行役員 中央研究所長 提坂 裕子

「ガレート型カテキン」の有効性試験結果[ヒト試験]

2 0 -2 -4 -6 -8 -10

2ヶ月

カテキンをほとんど 含まない飲料(対照)

ガレート型カテキン 高含有飲料

■脂肪吸収抑制

内臓脂肪面積が有意に低下 悪玉コレステロールが有意に低下

3ヶ月

積(

cm2

10 5 0 -5 -10 -15

1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月

カテキンをほとんど 含まない飲料(対照)

ガレート型カテキン 高含有飲料

■LDL(悪玉)コレステロール吸収抑制

)コ

 

 

  )

mg / dl L D L

出典:鈴木裕子ら 日本臨床栄養学会雑誌 29,72-80.(2007)

被験者:BMI 23-30、血清総コレステロールが高め(200-260mg/dL)の健常な男女73名のうち40歳 未満の女性を除く66名(内臓脂肪測定者数)

摂取方法:昼夕食事に1本、3ヶ月間摂取。一方はガレート型カテキンを高含有する飲料を、もう一方は茶 カテキンをほとんど含まない飲料(対照)を摂取

出典:kajimoto O et al. J Clin Biochem Nutr 33,101-111.(2003) 被験者:血清総コレステロールが高め(180-260mg/dL)の健常な男女60名

(8)

まざまな関係者と双方向性のあるコミュニケーションを行うパブリック・リレーションズ の専門家、株式会社井之上パブリックリレーションズの井之上喬代表取締役社長 は、伊藤園の取り組みについて「ポーター賞をはじめ輝かしい受賞歴は、CSR、CSV、ESD を統合した『伊藤園モデル』が認められた証しと考えます。今後は、さまざまな関係者と双 方向性のあるコミュニケーションを行うパブリック・リレーションズが極めて重要です。世界の ティーカンパニーを目指し、パブリック・リレーションズによる企業価値のさらなる向上のため に、伊藤園の発信力についてより高度な戦略が望まれます」と期待を寄せています。 また、「企業の情報発信においては、(おかずがたくさんある)網羅的な“幕の内弁当”型よ り、一点豪華主義の“うな重”型のメッセージの方が相手に伝わりやすい」と情報発信につ いて述べるのは、「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン オルタナの森摂編集長。伊藤園の 取り組みについて「今回の受賞を良いきっかけにして、自社のCSR活動のすべてを伝えよ うとするのではなく、御社のCSR活動の重点項目を毎年一つに絞り込んで、効果的に発信 されるのが良いと思います」とコメントしています。

今、求められる情報発信の強化

フード・アクション・ニッポン アワード 2013

平成25年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰

2005年12月 第2回エコプロダクツ大賞(エコサービス部門)農林水産大臣賞 

2006年 8月 ウェステック大賞2006環境大臣賞

2006年11月 第36回食品産業技術功労賞(資材・機器・システム部門) 

2006年12月 平成18年地球温暖化防止活動環境大臣賞(技術開発・製品化部門)

2007年10月 平成19年度資源循環技術・システム表彰 経済産業省産業技術環境局長賞 

2007年10月 平成19年度循環型社会形成推進功労者表彰 環境大臣賞

2007年11月 「お茶入りダンボール」が「新日本様式」100選に選定 

2010年10月 第12回グリーン購入大賞 審査員特別賞

2011年 2月 第20回地球環境大賞 環境大臣賞 

2013年10月 平成25年度リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰 農林水産大臣賞

茶殻リサイクルシステム受賞歴一覧

産農産物の消費拡大を目的とした「フード・アクション・ニッポン」の一環として創設され、

食料自給率向上に寄与する事業者・団体等の優れた取り組みを表彰する「フード・アクション・ニッポン アワード」。 伊藤園は緑茶飲料製造のパイオニアとして、バリューチェーンの各段階で繰り返しユニークなイノベーションを

生み出してきたことが評価され「研究開発・新技術部門」最優秀賞を受賞しました。

特に、自社のノウハウを供給し茶産地を育成してきた実績や、味と香りを高める飲料製造技術、

ユニークな研究開発などが緑茶の消費を伸ばし、茶葉の自給率向上に貢献しているとの評価をいただきました。

※フード・アクション・ニッポン アワード(主催:フード・アクション・ニッポン アワード 2013実行委員会 共催:農林水産省)

環型社会を目指し、発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再資源化(リサイクル)の取り組みに

顕著な実績を挙げている事業者・団体等を表彰する「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」。 従来、肥料などに使用されてきた茶殻を、身の回りの製品に有効活用していくことを目的に、

伊藤園が、2000年から取り組んできた「茶殻リサイクルシステム」が「農林水産大臣賞」を受賞しました。

茶殻の事前乾燥を必要とせず、かつ、茶の抗菌性や消臭性などの機能性を活かした茶配合製品(建材・樹脂製品・紙製品等)を、 パートナー企業と協力しながらさまざまな分野に持続可能なビジネスとして展開している点を評価いただきました。

※リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰(主催:リデュース・リユース・リサイクル推進協議会 後援:農林水産省、財務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、環境省)

CSV

news

井之上 喬氏 

株式会社井之上パブリックリレーションズ 代表取締役社長

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